現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究は,a)揮発分放出速度の推算,b)チャー粒子の酸化反応速度の測定と定式化,c)揮発分放出およびチャー粒子の酸化反応の練成解析,d)揮発分放出を伴うチャー粒子表面への酸化剤の物質移動速度の推算,e) CFDによる微粉炭燃焼解析による半解析解あるいは推算式の妥当性の検討に大別され,平成26年度にa), b), c)を平成27年度にd), e)を実施する研究計画を立てている.a)について,開発者であるDr. Niksaとのディスカッションなどにより,FLASHCHAINを採用することとした.また,揮発分をCO, CO2, H2O, CH4, C2H2, HCN, N2, Tarとし,研究計画どおりに揮発分放出速度を推算するとともに,揮発分放出速度パラメータを決定した.b)について,熱天秤を用いて微粉炭チャーの酸化反応を測定し,一次の容積モデルを用いて酸化反応速度の定式化を行った.c)について,揮発分放出とチャーの酸化反応を伴う単一微粉炭粒子周りの物質移動解析を実施可能なIn-houseのコードを開発した.さらに,研究計画の一部を前倒し,d)の前半である揮発分放出を伴うチャー粒子表面への酸化剤の物質移動速度を推算し,研究計画の立案の段階で予想していたとおり,揮発分放出過程は微粉炭粒子表面への酸化剤の物質移動を阻害し,揮発分放出とチャーの酸化反応は"半並発反応"で進行することがわかった.ただし,反応速度が極めて大きい条件で解を求めることができない場合があった.そのため,平成27年度は物質移動解析に不足緩和法を導入するなど計算を安定化させつつ,引き続き研究計画どおりにd)の後半である揮発分放出とチャーの酸化反応の並発反応のモデル化とe)を実施する予定である.
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