生物は、外部の刺激を知覚・認知して、特定の運動をすることを学習する。学習後、外部の刺激は多少変化しても、同一の運動をすることができ、脳内では柔軟な情報処理が行われると考えられる。本研究では、ラットに縦縞でレバーを押し、横縞で引くという視覚弁別誘発性の運動課題を学習させた。その後、縦縞/横縞のコントラストを変えた課題を遂行するときの神経活動を記録した。この結果、視覚野において、高コントラストで強い応答を示す細胞に加えて、低コントラストで強い応答を示す細胞も観察された。この低コントラスト選択性の細胞は、麻酔下ではほとんど観察されなかったことから、トップダウン入力が重要な働きをしていると考えられた。
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