前年度の研究成果により培養細胞に導入したOptineurinタンパク質がパーキンソン病の原因遺伝子であるParkin依存的におこるマイトファジーの際にミトコンドリア上に局在することを明らかにしたが、マイトファジーに関わる因子、またALSの原因遺伝子として新たに研究期間中に海外のグループから発表されたTBK1との関係についても解析を行った。 その結果、TBK1はOptineurinの177番目のセリン残基のリン酸化を行い(Optineurinの177番目のセリン残基の抗リン酸化抗体を作製した)、そのセリン残基はマイトファジーの亢進に関わることが示唆された。またTBK1共発現のもとではOptineurinタンパク質の分解が促進されることも見いだした。またマイトファジーに関わるタンパク質p62の増減、TBK1阻害剤存在かでのマイトファジー誘導の有無についても検討を行った。 今後、培養細胞および初代培養ニューロンでOptineurinの欠損がマイトファジーの異常にどうつながり、神経細胞死につながるのかを調べていく予定である。 以前に確立したニューロンの初代培養系で、Optineurin等のタンパクがどのように局在するか、オートファージー誘導刺激でどのように局在変化するかの検討をするため、タイムラプス観察を可能にする為のラーブイメージングの実験系を立ち上げるため、条件検討中である。 また、前年度確立したミクログリアの細胞株BV2のOPTNノックダウン株および、野生型およびOptineurinノックアウトマウスより単離したミクログリアの初代培養系をもちい、これらの細胞でも解析を行う予定である。
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