研究課題/領域番号 |
26830036
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
山本 圭一 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 後期臨床研究医 (90623257)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 認知症 / アルツハイマー病 / MCI / アルブミン / 銅 / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
AD発症前段階から治療介入できれば、より効果的に認知症発症を抑制できる可能性が高く、そのため血液で簡易に測定できるバイオマーカーを検索した。 MCIやAD患者の脳には、Aβが凝集した老人斑を認めるが、その中にはCuやZnなど2価の金属が多く含まれ(Journal of the Neurological Sciences 158: 47-52: 1998)、CuやZnはAβを凝集させ、神経毒性を持たせる(Br J Pharmacol. 163: 211-219: 2011)ことが報告されている。また、アルブミンはCuと結合しやすい蛋白である。以上から、MCIやAD患者では非認知症群に比べアルブミンがCuと結合しにくい状態になっており、そのためCuを介したAβとの結合ができず複合体量が減少し、その結果Aβ及びCuが脳内に留まりし神経毒性を発揮すると仮定し、銅イオンと結合できる正常アルブミンの量を測定する方法で、軽度認知障害とアルツハイマー型認知症を、非認知症群と鑑別できるかについて横断的に検証した。 当科に通院された14例の認知症を有さない他疾患患者(Control)、22例のPIB陽性MCI患者、26例のPIB陽性AD患者を対象に血液を採取し、銅イオン親和性アルブミンの濃度を測定し、一元配置分散分析及び多変量解析にて比較し、銅イオン親和性アルブミン濃度は、Control>MCI>ADの順で、低下することが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルブミンAβ複合体測定よりも、より簡便に測定できる新規血液バイオマーカーの候補を発見した。
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今後の研究の推進方策 |
血中銅イオン親和性アルブミンについて、更に多くの例数にて検証を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年度購入予定のあった試薬について、2015年度からの使用に変更した。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年に試薬を購入し、実験を進める。
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