CADASILは、血管壁細胞の変性などの血管病変と大脳白質障害を特徴とする遺伝性脳小血管病である。原因遺伝子が壁細胞特異的な細胞膜受容体NOTCH3に特定されて以来、多くの研究がなされてきたが、血管の形態・機能異常に至るメカニズムは依然として明らかになっていない。本研究では、我々はCADASIL患者の皮膚生検サンプルからiPS細胞を作成し、壁細胞に分化させて、その細胞機能を健常人iPS細胞由来の壁細胞と比較した。その結果、細胞の遊走・接着能に異常がみられることがわかり、病態メカニズムにアクチン代謝が関わっている可能性が示唆された。
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