研究課題
これまでに、グリアマーカーの発現を制御する遺伝子の探索を行い、ショウジョウバエprospero/哺乳類prox1の線虫ホモログであるprox-1を同定した。Prosperoはショウジョウバエにおいてグリア細胞発生に必須な転写因子であるが、線虫においてはprox-1ノックダウンによる顕著なグリア発生異常はみられなかった。一方で、隣接する浸透圧受容ニューロンの機能への影響があるか検証した結果、高浸透圧受容による忌避行動が顕著に低下することを見出した。prox-1はグリア細胞選択的に発現し、浸透圧受容ニューロンには発現しないことも確認した。これらの結果は、グリア細胞が浸透圧受容ニューロンの機能に必須な役割を果たすことを示唆する。またグリア細胞そのものの形態に異常はみとめられないことから、グリア細胞は単なる支持構造としてではなく、何らかのシグナル分子(膜タンパク質や分泌因子など)を介して浸透圧受容ニューロンの機能を制御する可能性が高いことが判明した。次にグリア細胞から浸透圧受容ニューロンへの作用を担う分子を明らかにするため、prox-1下流遺伝子の探索、同定を行った。その結果、fig-1遺伝子(哺乳類膜結合型ムチンMUC17ホモログをコード)を同定した。研究成果はGenes to Cell誌に発表した(Kage-Nakadai et al. Genes to Cells 2016)。これらに加え、最終年度では浸透圧制御器官であるexcretory cellの形成や機能に関する研究も進め、研究成果は現在学術雑誌に投稿中である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件)
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