本研究課題の目的は、オリゴデンドロサイトの分化とミエリン化/再ミエリン化を抑制的に調節している受容体型タンパク質チロシン脱リン酸化酵素(RPTP)であるPTPRZの活性を調節している機構の解明である。脱髄疾患病態モデル動物や、我々が新たに樹立したオリゴデンドロサイト系譜細胞であるOL1細胞を用いた検討を行った結果、脱髄時に神経軸索から放出されるpleiotrophinが、周囲のオリゴデンドロサイト前駆細胞の膜上に存在する受容体型のPTPRZに作用し、PTPRZの酵素活性を抑制することによって、オリゴデンドロサイトの分化抑制が解除されて、再ミエリン化が促進していることが明らかとなった。
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