発生期,神経軸索は誘導因子に応じて進路を転換することで正しい標的まで到達する。進路転換には成長円錐局所での極性化が必要になる。これを制御する機構のひとつとして,形質膜との融合に依らない細胞内小胞輸送系の寄与を検討した。成長円錐周辺部へ輸送されたVAMP7陽性小胞は形質膜と完全に融合することなく中心部へ戻ってくること,また,この小胞輸送頻度の多い側へ進路転換することを見出した。VAMP7小胞に存在する極性化分子の候補としてRacおよびCdc42に着目した。いずれの分子もVAMP7小胞とは異なる挙動を示したことから,Rac,Cdc42の活性を制御する分子等にターゲットを移して解析を行う必要がある
|