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2014 年度 実施状況報告書

ラット新規小眼球関連遺伝子の同定と、それをターゲットにした新規マウスモデルの樹立

研究課題

研究課題/領域番号 26830057
研究機関東京農業大学

研究代表者

和田 健太  東京農業大学, 生物産業学部, 准教授 (20508113)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード小眼球症 / ラット
研究実績の概要

我々はヒト小眼球症モデルとなり得るNAK/Nokh(NAK)ラットを樹立し、本系統が他の系統との交配によってヒト集団にみられるような表現型のバリエーションを示すこと、およびその発症原因遺伝子が第16番染色体に存在することを報告してきた。本研究では、NAKの発症責任遺伝子を同定するために、RNA-seqによるNAKの遺伝子変異スクリーニング、および遺伝子発現解析を試みた。
RNA-SeqはNAK、Sprague Dawley(SD)およびBrown Norway(BN)の胎齢14.5日(E14.5)の胎児から得られた眼球由来mRNAを用いてIllumina HiSeq2500により行った。
NAK、SDおよびBNにおけるRNA-seq解析を行った結果、平均してそれぞれ3.1 Gb、4.6 Gbおよび3.7 Gbのシークエンスデータが得られた。次にBNとNAKにおけるシークエンスデータを比較した結果、4,214個のindelおよび7,600個のSNP、合計11,814箇所の変異が検出された。また、NAKの責任遺伝子座が存在する第16番染色体上の50~70 Mbの領域には12個のSNPおよび16個のindelが存在し、それらは5種類の遺伝子において認められた。一方、SDおよびNAKにおける遺伝子発現解析の結果、100種類の遺伝子において有意な発現変動が確認され(FDR < 0.01)、そのうち14種類の遺伝子では発現量の増加、86種類の遺伝子では発現量の減少が認められた。また、発現量が減少した遺伝子のうち25種類は眼球発生に関与するGO termに分類された。このことから、NAKの無眼球症は眼球発生に関与する遺伝子群の発現量の減少により引き起こされることと推測された。さらに、NAKの責任遺伝子座が存在する第16番染色体の候補領域では、2種類の遺伝子について発現量の有意な減少が認められた。現在は第16番染色体において変異が検出された遺伝子、および発現変動が確認された遺伝子について解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度ではRNA-Seqより得られた遺伝子発現プロフィールおよびcSNPなどの変異解析を実施した。その結果、NAKにおいて発現量が減少する遺伝子群の同定、ならびに第16番染色体の遺伝子群の変異を検出し、これをNAK小眼球症の原因となる候補として選定した。従って、研究計画は概ね順調と考える。

今後の研究の推進方策

今後は前年度のRNA-Seqに加え、全ゲノムシークエンシングにより、シスエレメントやスプライスサイトなどの変異スクリーニングを実施する。さらにそれらの情報に基づいた遺伝子およびタンパク質発現解析、CRISPR/Cas9を利用したゲノム編集マウスおよびラットの作製を試みる。

次年度使用額が生じた理由

研究費の執行可能期間に試薬の納品が間に合わなかったため、次年度の執行とした。

次年度使用額の使用計画

繰り越した研究費はPCRによるラットのジェノタイピングに関する試薬を購入する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 無眼球症ラットNAK/NokhにおけるRNA-seq解析2015

    • 著者名/発表者名
      大久保 咲、内山博允、石原真吾、橋詰良一、吉川欣亮、和田健太
    • 学会等名
      第62回日本実験動物学会総会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2015-05-28 – 2015-05-30
  • [学会発表] 無眼球症ラットNAK/Nokhの眼球発生異常と原因遺伝子座の特定2014

    • 著者名/発表者名
      大久保 咲、吉野猛郎、三瓶早穂里、橋詰良一、吉川欣亮、和田健太
    • 学会等名
      第61回日本実験動物学会総会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2014-05-15 – 2014-05-17

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公開日: 2016-06-01  

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