• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

エクソソームを蛍光標識したトランスジェニックラットの開発と脳での解析

研究課題

研究課題/領域番号 26830061
研究機関国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

吉村 文  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第三部, 科研費研究員 (90466483)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードトランスジェニックラット / エクソソーム / CD63
研究実績の概要

本研究では、新たな細胞間コミュニケーション媒体として注目される小型膜小胞エクソソームを生体内で可視化できる実験動物の作製を目的とする。初年度において、エクソソームマーカーであるCD63とGFPの融合タンパク質(CD63-GFP)を利用したトランスジェニックラットを作製した。CD63にはヒト由来のhuman CD63を用いることで、内在性rat CD63との識別をできるようにした。全身性のCAGプロモーターと、神経幹細胞などの幹細胞で発現するSox2プロモーターのそれぞれを用い、両者ともトランスジェニックラットを得ることができた。さらに、トランスジェニックラットの血清、あるいはその組織を培養した培地上清からエクソソームを回収し、ウェスタンブロットによりCD63-GFPの標識を確認した。
本年度は、回収したエクソソームの細胞内への移行実験を行い、human CD63-GFPによる標識の確認を試みた。CAG/CD63-GFPラットの血清由来エクソソームの実験では、エンドソームマーカーであるLamp1の免疫染色によって、レシピエント細胞のエンドソーム内への取り込みを確認できた。また、Sox2/CD63-GFPラットの胎児由来神経幹細胞の培地上清から単離したエクソソームが、同じ細胞種である神経幹細胞に加えてアストロサイトにも移行することを確認した。脳におけるエクソソームの機能については、近年報告が増えているが、神経幹細胞については殆どない。そのため、本研究で作成したSox2/CD63-GFPラットが、生体内での神経幹細胞を取り巻くニッチの形成にどのような働きを持つのかを明らかにするモデルになると考えている。in vitroでの移行実験およびエンドソームの動態を観察することができたので、今後は生体内でのエクソソームの分泌・移行を確認できる実験系の確立を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Negative regulation of microRNA-132 in expression of synaptic proteins in neuronal differentiation of embryonic neural stem cells.2016

    • 著者名/発表者名
      Aya Yoshimura, Tadahiro Numakawa, Haruki Odaka, Naoki Adachi, Yoshitaka Tamai, Hiroshi Kunugi
    • 雑誌名

      Neurochemistry International

      巻: なし

    • DOI

      10.1016/j.neuint.2016.04.013

    • 査読あり / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi