日本において慢性腎臓病患者数は増加の一途を辿っている。腎疾患に根本的な治療法がないことが一因となっており、創薬・治療法開発が不可欠である。しかしながら病因が多様であることに加え、ヒト腎疾患に近似した表現型を呈する有用なモデル動物が少ないことも解析遅延の要因となっている。これはモデル開発に多用されるC57BL/6マウス系統が腎疾患抵抗性の傾向があることに起因する。そこで本研究は、腎疾患感受性系統を利用したQTL及びDNAアレイ解析により、腎疾患感受性に関連するゲノム領域を同定し、腎疾患高感受性のC57BL/6マウス系統を開発した。この系統は創薬研究・治療法開発に貢献することが期待される。
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