我々は難治性癌である膠芽腫において骨形成因子BMP4に加えてBMPシグナル抑制因子 Smad6の特異的siRNA (siSmad6)でBMPシグナルをさらに増強したところ、脳腫瘍がん幹細胞の未分化性を顕著に阻害し、腫瘍形成能を劇的に抑制することを見出した。さらに、BMP4とsiSmad6によって発現が変動する標的遺伝子の中で脳腫がん瘍幹細胞の未分化性維持の阻害に関与が予測される因子を多数同定した。また、今回の研究においてRNA-Seqを用いたことによって、脳腫瘍がん幹細胞内でいくつかの融合遺伝子を発見し、このうちの1つにおいて、トランスフォーム活性や腫瘍形成能を有することが分かった。
|