研究課題
膵癌細胞株同所移植モデル、Fluorescent-PDXモデルを作成し、TGFβR1阻害薬(SB-43154)によるTME変化のintravital realtime imagingを行った。その結果、細胞株モデルではTGF-β阻害薬により間質量、微小血管数の減少を認めたが、fluorescent-PDXモデルでは、間質量の減少効果は認められず、むしろ腫瘍量は増大傾向にあった(AACR2016にて発表)。これはOriginalの腫瘍環境をより忠実に再現できるPDXにおいて、細胞株モデルでは殆ど認められなかったTGF-βの抗腫瘍効果が再現されており、それを阻害したために生じたものと考えられ、PDXの有用性を再認識した。以上の結果から、TGFβR1阻害薬(SB-43154)とゲムシタビンの併用療法の有用性は期待できなかったため、規模を縮小しSMAD4欠失型のPDX同所移植モデルのみを用い、TGFβR1阻害薬とゲムシタビンの併用療法の治療効果について検討した。治療後の腫瘍重量は、①ゲムシタビン単独<②併用療法<③コントロール≒④TGFβR1阻害薬単独となり、やはりTGFβR1阻害薬の上乗せ効果は認められなかった。次に、膵癌の間質増生に関わる新たなターゲット分子を見出すため、SMAD4野生型、欠失型膵癌のTMEにおける発現蛋白の網羅的解析を(LC FT-LTQ MS)を研究協力者平野が施行し、1961種類のタンパク質の同定に成功した。同時にコントロールとして、非癌部間質の解析も同時に施行し、SMAD4欠失型で2倍以上の発現上昇のあった172分子に絞り込んだ。その中から文献的に癌部における細胞外マトリックスの構築に関連していると考えられる以下の3分子を候補分子として選出した。候補分子:①Periostin, ②TenascinC, ③Thrombospondin-1
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