近年癌細胞の浸潤・転移過程において、一定の細胞形態を持って基底膜上に配列している上皮系の細胞がその細胞極性を失い、間葉系細胞に変化し、間質内へ浸潤し転移する現象として上皮間葉形態転換(Epithelial-Mesenchymal Transition: EMT ) が注目されているが、このEMT現象が子宮内膜癌や卵巣癌において重要な予後因子となる事を報告した。我々はEMTを制御する細胞外基質蛋白質の候補としてDecorinに着目した。さらにプロゲステロン製剤が子宮内膜に与える影響を検討する中で、プロゲステロン製剤がDecorinを誘導し、Decorinがp21を制御する事で細胞周期に大きな影響を与える事を見出した。このDecorinが子宮内膜症の進展に関わっている因子として報告した。さらに子宮内膜症病巣とEMTの関係性を見出し報告した。
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