鉄過剰モデル肝組織では正常肝組織と比較しコレステロール合成関連酵素、蛋白質プレニル化酵素の発現亢進が認められ,そのことが細胞増殖シグナルを促進する低分子G蛋白質の活性化に関与していた。一方、鉄を過剰に加えて培養したマウス初代培養肝細胞を用いた実験では、抗酸化剤としてN-アセチルシステインを加えても蛋白質プレニル化酵素の発現亢進は持続した。これらの結果は、肝臓における過剰の鉄は酸化ストレスとは独立した経路によりコレステロール合成関連酵素、蛋白質プレニル化酵素の発現を亢進させ発癌に関与することを示している。
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