本研究はがんの放射線治療の新規メカニズムをタンパク質の鋳型とならない非コードRNA(non-coding RNA: ncRNA)をターゲットとして明らかにすることを目的として行いました。まず放射線照射条件を決定しし、各種がん由来培養細胞(子宮頸がん由来のHeLa細胞、肺がん由来のA549細胞、乳がん由来のMCF7細胞)において発現変動をするncRNAを定量PCRにて探索しました。その結果、放射線照射前後で発現が変化するncRNAをいくつか同定することが出来ました。また、同様に、発現変化するタンパク質もいくつか同定しました。また、RNA FISH法と蛍光免疫染色を持ちいて、照射前後でのncRNAとタンパク質の細胞内局在変化を確認しました。その結果いくつかの局在変化を確認することが出来ました。そして同定されたncRNAとタンパク質の相互作用を確認すべく、免疫沈降法を用いたin vivoレベルでの検出とフィルター結合法を用いたin vitroレベルでの解析を、何度も条件検討を繰り返しつつ試みたものの、うまく検出できずに、結果として相互作用同定までには至りませんでした。さらなる条件検討が必要と考えます。
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