• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

poly-G ODNを用いた新規抗腫瘍免疫療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26830111
研究機関横浜市立大学

研究代表者

小林 信明  横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 講師 (60468155)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード合成オリゴヌクレオチド / 抗腫瘍免疫 / 免疫療法
研究実績の概要

【目的】我々のグループではpoly G ODNがマウスにおいて腫瘍抗原特異的にCD8陽性T細胞の活性を誘導し、IL-2産生を促進することなどが報告したが、ヒトにおける作用は不明であった。今回、このODNによる新規抗癌免疫療法の確立を目指し、ヒト検体を用いてpoly G ODNの免疫学的作用に関して検討した。【結果】ヒト健常者および肺癌患者由来PBMCでのT cell proliferation assayでは、poly G ODNの添加によりcontrolに比し有意な増殖を示した(p < 0.05)。intracellular IFN-γ assayではpoly GによりPBMCにおいてIFN-γの産生増強を認めたが、IL-2の産生増強はELISAおよびELIsopt法のいずれの方法でも変化は認めなかった。また、磁性ビーズにより単離したCD3陽性細胞のみではPoly G ODNによる作用は認めない事から、このODNによる免疫賦活作用はマウスとヒトにおいて異なる事が明らかとなった。更にPBMCを用いた単球の分化誘導に関する検討を行い、Poly GによりCD68+CD86+CD163-細胞の有意な増加を認め、そのメカニズムとしてstat1 のリン酸化が亢進することを明らかにした。癌の微小環境では免疫が抑制的に制御されていることから、この免疫環境と類似の環境である肺癌患者の癌性胸水を用いた検討でも、poly G ODNにより有意に免疫細胞の増殖が認められた。【結論】Poly G ODNはヒトにおいては単球の分化誘導を促進する事で免疫賦活効果を呈する事、癌微小環境においてもその作用を示す可能性が示された。Poly G ODNは難治性癌に対する新規免疫療法として有望であり、臨床応用を目指して今後も検討を続ける。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Poly G oligonucleotide enhances anti-tumor immune response among the patients with primary lung cancer2017

    • 著者名/発表者名
      Nobuaki Kobayashi
    • 学会等名
      American Association for Cancer Research Annual Meeting 2017
    • 発表場所
      Washington D.C., USA
    • 年月日
      2017-04-01 – 2017-04-05
    • 国際学会
  • [学会発表] poly G ODNのヒトにおける抗腫瘍免疫反応の検討2016

    • 著者名/発表者名
      柴田 祐司
    • 学会等名
      第57回日本肺癌学会学術総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2016-12-19 – 2016-12-21

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi