我々は新規の抗がん物質M-COPAについて、独自の薬剤データベースを用い、ゴルジ体阻害剤BFAと類似した作用を示すと予測した。BFAは細胞に小胞体(ER)ストレスを起こす。M-COPAも同様に、培養がん細胞に対してERストレスを誘導した。担がんマウスを用いた実験では、M-COPAが良く効くヒト乳がん細胞株BSY-1に対し、M-COPAはERストレスを顕著に誘導した。さらに、M-COPAが効かないヒト結腸がん細胞株HT-29について、ERストレス抑制因子の発現を低下させると、M-COPA感受性となった。以上の結果から、M-COPAの抗がん作用にERストレス経路が関与することが示された。
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