研究課題/領域番号 |
26830133
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
扇野 泰行 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20598916)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 心房 / 乳幼児突然死 |
研究実績の概要 |
第一に、本研究のテーマとなっている当該遺伝子のコードするタンパクに対するモノクローナル抗体を作成する作業を進めた。当該遺伝子は心房特異的な発現パターンを示しており、将来的に心房の特異的マーカーとしての使用を検討している。一方当該遺伝子のファミリータンパクは心臓内に置いて心室でも発現を認める。このため、ヒトにおける当該ファミリータンパクでの分離がうまく行くような抗原を想定し、モノクローナル抗体を作成している。現段階としては、抗原ペプチド作成から免疫は終了し、ハイブリドーマのセレクションを行っている。 第二に、当該遺伝子のノックアウトマウスの心臓を含めた機能解析を継続している。当該遺伝子のノックアウトマウスでの突然死率が多いものの、生存ノックアウトマウスと正常マウスとの心臓における明らかな差は現在のところ解明できていない。 第三に、乳幼児突然死症候群の患者における当該遺伝子の変異を調べた。ここでは、ナンセンス変異を含む複数のSNPを発見した。 第四に、当該遺伝子にレポーター遺伝子を付加したヒトiPS細胞の作製をレンチウイルスを用いて試みたが、遺伝子の導入はサイズの関係もあり現在のところ達成されていない。新規技術であるクリスパーなどを用いて再び試みる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ノックアウトマウスの心臓での表現型が明確でなく、解析が複雑化していること。 当該遺伝子のレポーター遺伝子付加コンストラクトのヒトiPS細胞への導入が技術的に難しいこと。
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今後の研究の推進方策 |
ノックアウトマウスの心臓を組織レベルでなく細胞レベルで解析することも検討する。 当該遺伝子のレポーター遺伝子付加配列のヒトiPS細胞への導入はクリスパーなどの新技術を用いて行うことも検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
モノクローナル抗体作成に必要な、ハイブリドーマの選択において、ヒト検体の取得が遅れているため、バイブリドーマ選択後の行程が未完となっており、その費用を使っていないため。
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次年度使用額の使用計画 |
バイブリドーマ選択、ERISA系の構築を迅速に進める。
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