チャマダラセセリPyrgus maculatusは,鱗翅目セセリチョウ科に属する草原性のチョウで,現在日本で最も絶滅が危惧されているチョウの1種である.長野県木曽町と岐阜県高山市の生息地において,採草地での野焼きと裸地率の関係や,産卵場所の選好性と草地管理の方法との関係などを調査し,2年に1回の火入れと採草が本種の生活様式に適した草原環境を生み出していたことがわかり,人間の伝統的な土地利用と本種の共存メカニズムを明らかにした.室内飼育実験から有効積算温度定数,発育零点および休眠の臨界日長条件を解明し,また生息域外保全に必要な交尾技術を確立した.さらに韓国での調査を行った。
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