本研究では、琉球列島の造礁性イシサンゴ類により構成される上部中深度サンゴ礁(水深30~60m)の分布とその種構成を記載し、それらが発達する環境要因についても基礎的な情報を得る事を目的とした。 分布調査の結果、想像を超える規模の中深度サンゴ礁を発見することができた。中深度サンゴ群集の構成種と群体の形状を見ると、海底の傾斜が緩やかな場所と大きい場所により優占種と群体の形状が異なる傾向が見られた。また中深度サンゴ礁と上部浅海帯 (水深20 m以浅)の構成種、並びに環境を比較したところ、中深度サンゴ群集では種数が非常に少なく、構成種が大きく異なり、環境は水温が低く、非常に弱い光を好むことが追認された。
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