ナノスケールで近接する複数の単分子の相互作用や協働性を研究するためのツールとして、複数分子を同時にナノトラッキングする手法を開発した。多色標識とイメージング分光によってこれを実現した。蛍光プローブとして量子ドットを用いた。原理検証実験によって、30ms以下の時間分解能において数ナノメートルの位置推定精度を達成できることを示した。並進モータタンパクであるミオシンがアクチン上で1次元的に動作する様子をナノメートル精度で追跡することに成功した。また、装置を拡張して、2次元的なナノトラッキングも実現し、複数の分子がナノメートルスケール内で交差する様子の観察にも成功し、本手法の威力を示すに至った。
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