四肢(肩から指先)を構成する軟骨内化骨は、魚類胸ビレには根元に少ししか存在せず、代わりにうちわ状の膜性骨が存在するという骨格形態差が両者にはある。魚類特異的な膜性骨を形成する領域(apical fold)の形成過程を明らかにするため、本課題では全身で機能することが予想されていたext遺伝子(exostosin遺伝子、細胞外マトリックスを形成する)の機能を発生学的に解析したところ、extl3遺伝子およびext1c遺伝子がapical foldの形成に必要であり、全身で働く遺伝子が器官の局所の形態形成を支配し、魚類固有の特徴を規定していることを例示する成果を挙げた。
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