研究課題/領域番号 |
26840092
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
谷口 雅俊 名古屋大学, 生命農学研究科, 研究員 (10467475)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 重力屈性 / 分子間相互作用 / シグナル伝達 |
研究実績の概要 |
シロイヌナズナの重力感受細胞に着目した遺伝子発現比較解析により、重力刺激感受後の重力屈性シグナルに関与する遺伝子DGE1、DGE2およびDTL(DGEs)を同定してきた。しかし、これらの遺伝子のコードするタンパク質には、保存された既知の機能ドメインが存在せず分子機能の予測が困難であった。そこで、相互作用タンパク質同定し、それらの予測された機能からDGE1、DGE2およびDTLの機能を予測することとした。 本年度は、共免疫沈降およびYeast Two-Hybrid スクリーニングによって得られたDGEsとの相互作用候補タンパク質について、個々の遺伝子のクローニングを行い、相互作用の確認をYeast Two-Hybrid法で行った。その結果、DGEsと4つのRCC1ファミリータンパク質との相互作用を確認することができた。しかし、RCC1ファミリーの植物における分子機能については殆どわかっていない。そこで重力屈性とRCC1ファミリータンパク質との関与を調べるために、T-DNA挿入ラインを取り寄せて、機能欠損変異体の準備を行うとともに、35Sプロモーターを用いた過剰発現体の作製も行った。また、RCC1ファミリーの発現部位およびタンパク質の細胞内局在を決定するために、プロモーターGUSおよびGFP融合タンパク質発現形質転換体の作製および系統の確立を行った。これらの材料を次年度の研究に用いて結果を得る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた遺伝子機能欠損体の取得および機能欠損体の選出は順調に進行している。形質転換体の作製については、予定していた殆どの系統を確立することができている。また、酵母を用いたタンパク質間相互作用の確認に関しては、一部実験による確認ができていないものもあるが、およそ順調である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本年度に確認ができていないタンパク質間相互作用の確認をするとともに、遺伝子機能欠損体の表現型の観察および形質転換体を用いたRCC1ファミリータンパク質の発現部位や細胞内局在の確認を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
Yeast Two-Hybrid法によるタンパク質間相互作用の確認実験で、本年度未観察のものがあるため、必要試薬や器具の購入に使用予定であった経費に残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
一部、確認のできていな酵母によるタンパク質間相互作用の実験に必要な試薬および器具を購入する予定である。
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