研究実績の内容
シロイヌナズナの重力屈性に関与する遺伝子DGE1、DGE2およびDTL(DGEs)のコードするタンパク質の分子機能は道であるlそこで、分子機能類推のために、相互作用タンパク質を同定し、DGEsの分子機能の類推を行うこととした。 昨年度までの研究により、相互作用タンパク質である4つのRCC1ファミリータンパク質のとのタンパク質間相互作用の確認を行っている。そこで、本年度においてはタンパク質間相互作用の詳細なドメイン解析を行った。その結果、DGEsのC末端の保存性の高い14アミノ酸領域とRCCファミリータンパク質のBRXドメインが、タンパク質間相互作用に必要十分であることを、Yeast Two-Hybrid法により明らかにした。4つのRCC1ファミリータンパク質をコードする遺伝子の植物における機能が、重力屈性と関与しているかを明らかとするため、T-DNA挿入系統を入手し多重変異体を作成した。その結果、単一変異体においては重力屈性の異常は見られなかったが、多重変異体において主根の重力屈性の異常が観察された。プロモーターGUSを用いた発現組織解析を行ったところ、多重変異体の表現型において主根の重力屈性異常を示した遺伝子について感受細胞である主根のコルメラ細胞での発現が見られた。これらの結果より、DGEsとRCC1ファミリータンパク質は、相互作用を介して重力屈性シグナル伝達に関与している可能性が考えられた。
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