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2016 年度 実績報告書

植物のエンドサイクル制御の分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26840096
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

高橋 直紀  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (40553623)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード植物ホルモン / 細胞周期 / エンドサイクル / 環境ストレス
研究実績の概要

細胞分裂周期からDNA倍加周期(エンドサイクル)への転換には、G2/M期でのCDK活性の低下が関わってる。特に、E3リガーゼ後期促進複合体(APC/C)の活性化因子であるCCS52A1は、M期サイクリンタンパク質の分解を促進することでCDK活性を低下させ、エンドサイクルへの移行に働くことが知られている。昨年度までに、CCS52A1遺伝子の転写制御には、植物ホルモンのサイトカイニンによるシグナル伝達が直接制御していることを明らかにしている。さらに、植物はDNAに損傷を受けると、根の移行領域でサイトカイニン量を増加させることでCCS52A1遺伝子の転写を活性化させ、細胞分裂周期からエンドサイクルへの移行を促進していることを見出している。本年度は、植物がDNA損傷を受けると、CCS52A1以外にも、CDKと直接相互作用することによりCDK活性を阻害することが知られているSMR遺伝子の転写も誘導されることを明らかにした。そして、SMR遺伝子は、DNA損傷を受けると根端メリステムで発現誘導されたことから、分裂領域でのCDK活性を低下させることでエンドサイクルへの移行を制御していることが考えられる。さらに、植物のDNA損傷応答に関わる転写因子SOG1が、根でのCCS52A1とSMR遺伝子の転写誘導に関与していることを明らかにした。他にも、DNA損傷を受けるとM期サイクリン遺伝子の転写が低下することも明らかにした。これらの結果から、植物は環境ストレスを受けると、CDK阻害因子の転写の誘導や、M期サイクリン遺伝子の転写を減少させることで、根端でのCDK活性を低下させ、細胞分裂周期からエンドサイクルへの移行を制御していることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] The plant-specific CDKB1-CYCB1 complex mediates homologous recombination repair in Arabidopsis.2016

    • 著者名/発表者名
      Weimer, A.K., Biedermann, S., Harashima, H., Roodbarkelari, F., Takahashi, N., Foreman, J., Guan, Y., Pochon, G., Heese, M., Van Damme, D., Sugimoto, K., Koncz, C., Doerner, P., Umeda, M., Schnittger, A.
    • 雑誌名

      EMBO J

      巻: 35 ページ: 2068-2086

    • DOI

      10.15252/embj.201593083

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] DNA damage inhibits lateral root formation by upregulating cytokinin biosynthesis genes in Arabidopsis thaliana.2016

    • 著者名/発表者名
      Davis, M.M., Ogita, N., Inagaki, S., Takahashi, N., Umeda, M.
    • 雑誌名

      Genes Cells

      巻: 21 ページ: 1195-1208

    • DOI

      10.1111/gtc.12436

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 根端メリステムのサイズ制御機構2016

    • 著者名/発表者名
      高橋直紀、梅田正明
    • 雑誌名

      BSJ-Review

      巻: 7 ページ: 201-209

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Brassinosteroids are involved in stem cell replenishment in Arabidopsis roots under DNA damage2017

    • 著者名/発表者名
      Naoki Takahashi, Masaaki Umeda
    • 学会等名
      Plant Organ Growth Symposium
    • 発表場所
      Elche, Spain
    • 年月日
      2017-03-15 – 2017-03-17
    • 国際学会
  • [学会発表] Plant Stem Cells Undergo Cell Death to Maintain Genome Integrity2016

    • 著者名/発表者名
      Naoki Takahashi, Masaaki Umeda
    • 学会等名
      10th 3R Symposium
    • 発表場所
      ホテル一畑・島根県松江市
    • 年月日
      2016-11-13 – 2016-11-17
    • 国際学会
  • [学会発表] DNA damage response in Arabidopsis roots2016

    • 著者名/発表者名
      Naoki Takahashi, Masaaki Umeda
    • 学会等名
      Plant Genome Stability and Change 2016
    • 発表場所
      湘南国際村センター・神奈川県横須賀市
    • 年月日
      2016-07-07 – 2016-07-10
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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