根の内皮に形成される疎水性構造であるスベリン層とカスパリー線は水分や養分、酸素の移動を制限している。本研究ではこれらの疎水性構造の形成制御因子を同定し、それを用いたストレス耐性付与を目指した。転写因子の機能欠損の表現型を誘導し観察した結果、スベリン層またはカスパリー線の形成が異常になる転写因子を複数同定した。そのうちの一つは塩耐性に関与すること、種子の高温多湿環境下での劣化耐性に関与することを明らかにした。これらの成果は疎水性構造を利用した新たな生物または非生物ストレス耐性付与技術の開発につなげていく。
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