研究課題/領域番号 |
26840108
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研究機関 | 公益財団法人サントリー生命科学財団 |
研究代表者 |
大杉 知裕 公益財団法人サントリー生命科学財団, その他部局等, 研究員 (50507986)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 質量分析イメージング / 神経ペプチド / ホヤ |
研究実績の概要 |
本年度はホヤの神経複合体組織上で、質量分析によりペプチドを検出するために最適なマトリックスを検討した。その結果、高エネルギーのレーザーを組織に照射してペプチドを検出するという質量分析イメージングの実験条件では、2,5-ジヒドロキシ安息香酸(DHB)が安定的にペプチドピークを検出することができたことから、最も最適なマトリックスはDHBであると決定した。また、ペプチドのイオン化を阻害する夾雑物の除去について検討した結果、ノルマルヘキサンを多く含有する石油エーテルにより切片を20秒間洗うことで、脂質等の夾雑物を除き、ペプチドが効率よくイオン化することを見出した。MS/MS分析を行った結果、少数のフラグメントピークは得られたものの、ピーク強度が低かったことから、薄切片上に存在するペプチド濃度が想定以上に低く、MS/MS分析を行うにはペプチドのイオン化効率などを改善する必要があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は①組織上でのペプチド分析に最適なマトリックスの探索 ②ペプチド以外の夾雑物を除去する切片処理法の確立 ③MS/MS分析によるペプチドピークの検証 の3つの項目を達成目標として研究を行ない、以下のような成果が得られた。①組織上でのペプチド分析には2,5-ジヒドロキシ安息香酸(DBH)が最も適切であることを決定した。②切片処理として、石油エーテルにより切片を洗うことにでペプチド以外の夾雑物を効果的に除くことができた。③切片上でMS/MS分析を行った結果、少数のフラグメントピークが得られた。切片上に存在するペプチド濃度が想定以上に低く、MS/MS分析を行うにはペプチドのイオン化効率を改善するなどの必要があることが示唆された。いずれの項目についても概ね計画通りに進んだため、(2)の評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は予定通り空間分解能を上げるためのマトリックス塗布法の最適化と、イメージングによる神経ペプチド分布の2次元画像化・共存情報の分析を行う。本年度行なったMS/MS分析において、得られたピーク強度が低かったため、ペプチドのイオン化効率を上げるための誘導体化試薬の使用を検討している。また、免疫染色との対比も有効であると考えられるため、ペプチド抗体の作製を検討している。
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