研究課題
本年度はマトリックスを溶解する溶媒や塗布法を検討し最適化することにより、再現性良くイメージング結果を得ることができた。また10-20マイクロメートルの空間分解能を達成した。その他に質量分析装置の調整、最適化等を行い、イメージングデータの精度や信頼性を向上させた。この方法を踏まえて、ホヤ脳神経複合体の組織切片を分析した結果、脳神経複合体を形成する脳神経節と神経腺のそれぞれの組織に特異的な神経ペプチドや低分子化合物を検出することができた。それぞれのイメージング結果を比較し、マージ等をすることにより神経ペプチドや低分子化合物の二次元分布や共存情報を画像化することができた。
2: おおむね順調に進展している
本年度は①高分解能と高再現性を可能にするマトリックス塗布法の最適化と②質量分析イメージングによるホヤ神経ペプチド分布の2次元画像化を達成目標として研究を行い、以下のような成果を得た。①マトリックス溶媒や塗布法を最適化した結果、再現性良くイメージングデータを得ることができた。②ホヤ脳神経節複合体の組織切片の分析結果から組織特異的な神経ペプチドや低分子化合物の分布を2次元化することができた。いずれの項目についても概ね計画通り進んだため(2)の評価とした。
平成28年度は計画通り、質量分析イメージングの3次元構築を目指してホヤ脳神経複合体の組織切片の全データを統合する。3次元構築を達成したのち多変量解析を行い、ホヤの脳部位ごとに多く発現しているペプチドや、同時局在しているペプチドといった発現パターンを把握し、ホヤ神経ペプチドの脳内における空間分布を特徴づける。
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