生物の急速な適応進化と多種からなる群集の種組成が、互いに与え合う影響を野外環境で検証した。ヤナギ成木を囲うメソコズムを構築し、樹冠の昆虫群集とその優占種であるヤナギルリハムシ(ハムシ)を対象に野外操作実験を行った。このハムシの行動には遺伝変異があり(新葉好みのスペシャリスト、葉齢を選好みしないジェネラリスト)、メソコズムには、スペシャリストのみ、ジェネラリストのみ、両タイプミックスの3パターンでハムシを導入した。結果、この処理によって昆虫群集の種組成が分岐して形成されていった。さらに、昆虫群集の分岐の仕方に従って、ハムシのこの行動が急速に異なる方向へ適応進化をすることが分かった。
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