ソラマメの花外蜜は、それをエサとして利用するアリなどの天敵が他の植食者を排除することで間接防衛として機能する。本研究では、エンドウヒゲナガアブラムシが花外蜜の分泌を抑制するという現象を発見し、この抑制によって防衛が弱まることで、同じ植物上に他の節足動物が共存出来るかを検証した。野外試験において、花外蜜の減少はアリの誘引を弱める一方、クモやヒラタアブなどの捕食者を増加させたが、植食者には影響があまり見られなかった。これは、花外蜜を利用するアリの減少は節足動物の共存を促す効果はあるものの、節足動物間で直接的・間接的な相互作用が生じたことを示唆する結果である。
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