本研究は森林生態系における土壌微生物(主に真菌)の分布パターン(例えば、母樹の種類・母樹からの距離・土壌環境との関連性など)を明らかにするために行われた。熱帯ヒース林、熱帯低地林、冷温帯林などから実生の根・葉のサンプルを集めて、これらのDNA抽出と次世代シーケンサーを用いた配列解析を行い微生物の配列情報を取得した。その結果、樹種・土壌栄養塩の可給性に応じて実生から検出される菌類群集が異なっていることが明らかになった。一方、母樹と実生の微生物群集との空間的な位置関係・微生物と植物の機能的な関係はより詳細な統計解析が必要と考えられた。
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