研究課題/領域番号 |
26840151
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
風間 健太郎 名城大学, 農学部, 研究員 (60726842)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 海鳥 / 生活史戦略 / 繁殖 / キャリーオーバー効果 / 非繁殖期 / ジオロケータ / 海洋環境 / 生理状態 |
研究実績の概要 |
本研究では、ウミネコの非繁殖期の分布や採餌頻度を調べ、それらと繁殖直前の生理状態およびその後の繁殖行動との関連を明らかにする。 4月上旬に位置や行動が通年記録できる動物装着型の記録計(ジオロケータ)を購入し、機器の調整と駆動のテストを行った。6月上旬に北海道利尻島を訪れ、ウミネコの繁殖状況を確認した。6月中旬に再度島を訪れ、ウミネコ成鳥22個体を捕獲し、ジオロケータの装着を行った。装着個体の生理パラメータとして体重を、繁殖パラメータとして卵数と卵サイズをそれぞれ測定した。その後7月下旬まで継続的に対象個体の繁殖成績のモニタリグ調査を行った。 ウミネコは育雛期の途中まで例年通り繁殖活動を継続したが、7月中旬に全ての個体が一斉に繁殖を放棄した。これは、餌条件の悪化、およびハシブトガラスやオオセグロカモメによる卵や雛の捕食が原因と考えられた。ウミネコは営巣地を放棄すると翌年に同じ場所に帰還する確率が低下するため、翌年の個体の再捕獲とジオロケータの回収への影響が懸念される。 さらに、11月にジオロケータ製造メーカーであるLotek社より、当該装置がリコール対象となっている旨の連絡が届いた。野外での長期間の装着によって装置が浸水し、記録データが消失することがあるようだった。 以上より、初年度の研究は当初の計画通り実施されたが、ウミネコの繁殖放棄、ならびに記録装置のリコールにより、次年度の装置とデータ回収への悪影響が懸念される。製造メーカーによれば、仮に装置が浸水していてもデータの回収が可能である場合もあるらしいので、次年度には計画通り装置の回収のため島を訪れ捕獲調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ウミネコにジオロケータを装着し、その後の繁殖状況をモニタリングするという初年度の計画は滞りなく実施された。22個体もの成鳥の捕獲に成功したため、翌年以降に一定数以上の個体の再捕獲と装置の回収が見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
初年度にウミネコが繁殖を放棄し、さらにジオロケータがリコール対象となってしまった。しかし、ジオロケータ装着個体の再捕獲とデータ回収の見込みが少なからず残っているため、当初の計画通り、次年度には再度利尻島を訪れ、装着個体の再捕獲、データの回収、および対象個体の生理状態の測定を試みる。生理パラメータとしては、当初繁殖に関わる種々のホルモン測定を予定していたが、ウミネコへの生理的負担をより軽減するため、より少量の血液で測定可能な抗酸化ストレスレベルを指標とすることを検討している。
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