本研究では、水棲生物が環境中へと放出している環境DNAおよび環境RNAを分析する技術の高精度化と非接触での代謝量測定への展開を試みた。試料水中の環境DNAは輸送中に急激に分解し、分析の精度低下をもたらす。これを回避するため車内で利用可能なろ過システムを新規に開発し、採水後速やかに濾過を行って、フィルターを冷凍保存するという系を確立した。一方、環境RNAについては測定値のばらつきが想定以上に大きく、その回避策を十分確立できなかった。ただし、コイを対象として代謝関連遺伝子を水中から種特異的に検出できること、そして、定量可能な濃度の環境RNAが比較的長く水中に残存することを明らかにした。
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