本研究では、低リン耐性を有するとされるマメ科作物のSesbania cannabinaを中心にして低リン条件に対する適応反応を根系形態から評価した.黒ボク土のようにリン酸吸収係数が高い土壌において低リン状態に陥ったS. cannabinaは、土壌中で局所的に存在するリンに対して高次に側根が発達した根(特殊根)の形成によってリンを獲得していることが明らかとなった.また,特殊根は同根系内の他の根と比較して低リン時の酸性ホスファターゼ活性が低く,リンの吸収を補助するアーバスキュラー菌根菌との共生程度も異なるなど生理学的にも異なる性質を有すること示された.
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