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2014 年度 実施状況報告書

イネ光合成過程におけるCO2拡散効率の多様性とデータに基づいたモデルの確立

研究課題

研究課題/領域番号 26850009
研究機関独立行政法人農業環境技術研究所

研究代表者

児玉 直美  独立行政法人農業環境技術研究所, 大気環境研究領域, 任期付研究員 (60594611)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードイネ光合成 / 二酸化炭素拡散効率 / 炭素同位体
研究実績の概要

植物の水利用効率は乾燥ストレスの指標として用いられ、炭素の取り込みと水の損失によって決定される。決定要因の1つは、光合成過程のCO2の通導性であり、従来は葉の表面に存在する気孔の開閉によって制御をしていると考えられてきた。近年の研究で葉の内部の通導性が植物のバイオマス獲得にとって気孔と同程度かそれ以上に重要な要因であることが解明されつつあり、そのデータの蓄積とメカニズムの解明が必要とされている。イネ科の草本は葉内の制御の幅が大きく品種間差が大きいことがこれまでの研究によって提唱されているが、実際にイネ科のデータは少ない。
本研究では、レーザー分光法を応用し、これまでの方法と比較して数十倍の効率で葉のCO2の内部通導性を測定する技術を70%程度確立した。イネやシダ植物を用いて実験室内の測定によって、精度の検証を行った。多サンプル測定を達成するために葉チャンバーを5連で実装した光合成・蒸散測定システムを組み上げた。レーザー分光装置と連結し、チャンバーからのサンプルを自動で切り替えながら、レーザー分光装置に流しCO2の安定同位体比を直列で測定するシステムを組み上げ、制御はPC経由で自動でチャンバーの切り替えなどが行うことが可能なシステムを作成した。また取得したデータをリアルタイムで見ることを可能にしたことによって、実験中の精度を確認することができるシステムである。
現在のところ、イネについてはこれまでの手法と比較すると10倍程度の効率で測定を行うことが可能になった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度目的としていた測定技術の開発と精度の高度化は1年かけて達成されたと考えている。また応用に向けては植物の育成と測定者の確保など人材が不足しているために本年度達成することはできなかった。世界のイネコアコレクションを全てカバーすることはできなかったが、日本のイネ品種に関してはデータは蓄積されつつあると考えている。さらにデータを蓄積するには、測定をさらに簡易化して、未経験者でも測定可能であるシステムの確立と人材の確保が必要であると考えている。

今後の研究の推進方策

本年度は独立行政法人農業資源生物研究所のジーンバンク『世界のイネコアコレクション』を用いて実験を行う予定であった。実験システムの確立と精度の確認などで育成する時間を確保することが不可能であった。当初の目標は達成できなかったが、世界のイネコアコレクションは69品種あり、この品種を全て1シーズンで測定するのは、当研究所では不可能であるために、今後は光合成における気孔コンダクタンスに特徴のあるイネ品種を選抜してそれらの品種を集中的に測定を行っていきたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Analysis of Two-Dimensional Positions and Body Lengths of Earthworms (Oligochaeta); MimizuTrack.2014

    • 著者名/発表者名
      N Kodama, T Kimura, S Yonemura, S Kaneda, M Ohashi, H Ikeno
    • 雑誌名

      PloS one

      巻: 9 ページ: e97986

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0097986. eCollection 2014

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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