リンドウが葉や花に高濃度で蓄積しているキサントンは mangiferin と呼ばれ、その基本骨格である norathyriol にグルコースが1分子C結合したものである。そこで、この mangiferinn 生合成に関わる配糖化酵素を同定するために、昨年度構築したリンドウ葉のRNA-seqのデータベースから、もう一度、植物の配糖化酵素遺伝子と相同性を持つ cDNA を探索した。その結果70種の相同配列が獲得され、そのうち23種が推定の first ATG を含んでいた。そこで、これらの23種についてRACE法によって全長 orf を単離した。それらについて大腸菌を用いて組換え酵素を生産し、norathyiriol に対する配糖化酵素活性を検討した。その結果それらの内8種類について norathyriol に対する配糖化酵素活性を示すことが確認されたが、それらは、ケルセチン等の他のフラボノイドにも配糖化酵素活性を示した。また、酵素反応産物も複数種得られることが示唆された。今後、これらの相同遺伝子について、遺伝子発現のプロファイルや、精製タンパク質を用いた酵素学的解析を行うことで、mangiferin 生合成に関わっているかについて精査する予定である。
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