研究課題
<研究目的> 植物が持つ複雑な代謝経路に関わる遺伝子発現制御ネットワークの理解は、作物収量の増加や有用物質生産能力の向上に役立つ。本研究課題は「ディファレンシャル共発現法」 (後述) をコア技術としたin silicoな遺伝子発現制御ネットワーク推定法の開発を目的とする。<研究方法> 2つの実験条件下におけるゲノムワイドな遺伝子共発現パターンの違いを統計的に検出する手法として「ディファレンシャル共発現法」およびネットワーク統計量とを統合する。作物種例として、トマトおよびイネに着目した。<研究結果および考察> 平成28年度は、昨年度に引き続き、トマト葉の形の多様性に着目した。具体的には、食用種のトマト (Solanum lycopersicum) およびその野生種トマト2種S. pennelliiとS. habrochaites (これら3種は、葉の形態が大きく違う) の葉の異なる発生ステージ別RNA-seqデータセットを用い、トランスクリプトーム比較研究を進めた。また、並行してイネの地上部および地下部に関するトランスクリプトームデータセットを収集し、共発現ネットワークを構築した。今後、実用作物種の葉や根の特徴を形作る細胞内分子ネットワークを調節する制御因子を種特異的に検出しうるネットワーク推定法の開発につなげていく。得られた結果は論文にまとめて、近く投稿予定である。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件)
Frontiers in Plant Science
巻: 7 ページ: 1883
10.3389/fpls.2016.01883
SAR News
巻: 31 ページ: 9-16