研究実績の概要 |
ゲノム支援によりFcFT1発現が変動する環境条件下における総計約8億リードのRNA-seq情報を取得し、同情報から予測された遺伝子について発現量の定量と発現量に基づいた遺伝子相互間の相関解析およびネットワーク解析を実施した。その結果FcFT1と発現相関のある遺伝子として、既知遺伝子ではSPL、CO、FVE等が、未知遺伝子では38遺伝子が同定された。これらの遺伝子リストの解釈からイチジク花成への齢経路、光周期経路および自律的経路の関与が推定され、特に齢経路と光周期経路の強い関与が推察された。既存花成モデルとの比較評価では、光周期経路においてGI-CO-FTモジュールとの矛盾はなかったが、FcFT1と負の相関関係にあるCDFホモログが1種類しか検出されなかったことから、CDF群の機能的冗長性の欠如がFcFT1の発現特性に関係している可能性が示唆された。 また、昨年度構築したドラフトゲノム配列と別途実施した交配実生52個体のRAD-Seq解析の情報を用いて、イチジクで初めての高密度遺伝連鎖地図(マーカー数7,498、総地図長1024.2 cM)を構築するとともに、上記花成関連遺伝子を含む多数の予測遺伝子を連鎖地図へ関連付けした。
|