研究課題
イネのNLR型免疫受容体であるPii (Pii-1とPii-2から成る)によるイネいもち病原力エフェクターAVR-Piiの認識機構について、これまで、PiiとAVR-Piiとの直接的な相互作用は認められないが、Pii依存的抵抗性に介在するOsExo70-F3がイネのPii-2のC末端領域と相互作用することをyeast two hybrid assay (Y2H)で示した。また、この領域には基礎抵抗性の制御因子として知られるシロイヌナズナのRIN4タンパク質に保存されているNOIドメインのコアモチーフが存在し、そのモチーフに変異を入れると相互作用が破壊されることも明らかとした。最終年度は、イネのPii-2変異株を用いた相補性試験により、この変異がPii-2のAVR-Pii認識機能も破壊することを遺伝学的に明らかにした。さらに、NOIドメインのコアモチーフを持つPii-2以外の様々なイネのタンパク質とOsExo70-F3との相互作用を調べ、OsExo70-F3はイネのRIN4様タンパク質と特異的に結合することをY2Hで示した。また、この相互作用にも同様にNOIドメインのコアモチーフが重要な役割を果たしていた。以上の結果は、PiiがRIN4タンパク質に保存されているNOIドメインのコアモチーフを持つことでRIN4と相互作用するOsExo70-F3を監視する機能を進化的に獲得し、OsExo70-F3に作用するAVR-Piiを間接的に認識できるようになった可能性を示唆している。こうしたモチーフはIntegrated domain(ID)として近年注目され、いくつかの解析事例から非病原性因子が直接結合する領域として知られている。本研究では、間接的認識機構を持つと考えられているPiiの解析から、宿主因子の監視といった従来のID機能とは一線を画す機能が推察された。
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