ミナミアオカメムシの卵寄生蜂として,Trissolcus basalisを新たに日本から見出した.本種は世界的に分布しているが,日本だとまだごく限られた地域でしか得られていないため,国内の実際の分布域やその動向について注意を払う必要がある.次に,九州の大豆圃場でみられるカメムシ卵寄生蜂として,本種を含む3科12種を認め,これらの同定資料を作成した.また,ヒノキで見られるクサギカメムシの卵寄生蜂として,タマゴクロバチ科5種,ナガコバチ科1種を認めた.全体の寄生率は約2割であった.この他,卵寄生蜂数種の各種カメムシ卵に対する寄生率や性比を調べた.
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