地球温暖化を模倣した原位置加温、高CO2処理、窒素無施用処理を6年行った実験水田圃場の土壌を調査した結果、統計的有意な地力窒素の減少は見られなかった。一方、易分解性の土壌炭素は、高CO2処理が継続すると減少すると判明した。これは、大気CO2濃度の上昇が土壌炭素の蓄積に対して、負の影響を及ぼすことを示唆していると考えられた。また、圃場の有機物管理は、土壌炭素や窒素無機化に対し大気CO2濃度や窒素肥料などよりも大きな影響を持つことが示唆された。 地球温暖化に伴う地温の上昇は地力窒素発現量を増加するが、その量は従来の反応速度論や有効積算温度に基づく式により、十分な精度で予測可能なことが分かった。
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