現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
godAプロモーター配列を同定した。しかしながら、その転写活性化機構には当初想定していた特異的制御因子が介在しないことが実験結果から予想され、他の転写活性化機構の可能性を現在検証中である。 共培養時特異的な転写活性化機構を解析するための二次代謝産物として、以下の材料が加わった。Streptomyces endus S-522由来のI型ポリケタイド化合物alchivemycin類に加えて、Streptomyces cinnamoneus NBRC 13823由来のインドロカルガゾールarcyriaflavin E、Streptomyces nigrescens HEK-616由来の5-Alkyl-1,2,3,4-tetrahydroquinoline類、Streptomyces sp. CJ-5由来のbutanolide化合物chojalactone類などが新たに共培養時に特異的に生産が確認される化合物として発見された。現在alchivemycin類と5-Alkyl-1,2,3,4-tetrahydroquinoline類の生合成遺伝子をドラフトゲノム中に探索している。
|
今後の研究の推進方策 |
複合培養時特異的に生産される放線菌の二次代謝産物が更にいくつか発見された。これまでに明らかになっていたalchivemycin類に加えて、arcyriaflavin E、5-Alkyl-1,2,3,4-tetrahydroquinoline類、chojalactone類などが新たに発見された。これらの化合物はその化学構造も多様であることから、生合成遺伝子クラスター構造も多様であることが推定でき、共培養時の活性化の機構が注目される。これらの生産菌の中からいくつかドラフトゲノムを解析し、生合成遺伝子クラスターを同定し、それらの化合物の生産活性化の機構を解析する。また転写解析を行うにあたり、Tsukamurella pulmonisと放線菌との複合培養系だけではなく、RNA抽出効率のより良い他のミコール酸含有菌であるRhodococcus opacus B4やRhodococcus erythropolis PR4との複合培養系も今後は使用し、より効率的に転写解析を行う予定である。
|