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有べん毛乳酸菌の運動性や免疫学的特性を調べ、当該細菌特有の生態を探ることを目的として研究に着手した。Lactobacillus agilisの運動性欠失変異株は野生株よりもマウス腸管への定着性が低い傾向にあった。また、L. agilisの腸管由来成分に対する走化性も、腸管定着性に関与している可能性が示された。多くの有べん毛病原細菌とは異なり、L. agilisが持つべん毛の免疫学的活性は低く、炎症応答を誘導しにくいと考えられた。結論として、有べん毛Lactobacillus属細菌は宿主免疫系の過剰な刺激を避けつつ、運動性による積極的な移動により腸管粘膜への定着性を向上させているものと思われた。
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