研究課題
Caldicellulosiruptor saccharolyticus由来セロビオース2-エピメラーゼ (CsCE) など一部CEは、他酵素と異なり還元末端アルドース残基をケトース残基に異性化する。この活性に重要な構造基盤を明らかにすることを目的として解析を行った。まず、イソメラーゼ活性が未確認のRhodothermus marinus由来酵素 (RmCE) の高酵素濃度(1 mg/mL) での反応生成物を解析した。ラクトースに対する反応において、イソメラーゼ反応生成物であるラクチュロースの生成が確認された。CsCE、RmCEともに1 μg/mLではラクトースからエピラクトース(エピメラーゼ反応生成物)のみを生じた。このことから、CsCEにおけるイソメラーゼ活性はエピメラーゼ活性と比較して低く、他酵素も高酵素濃度において触媒し得ることが確認された。CsCEにおけるイソメラーゼ活性に重要な構造因子を明らかにするためにRuminococcus albus由来CEとCsCEのキメラ酵素の作出を試みたが、組換えタンパク質の生産が見られなかった。このため、CsCEの結晶構造に基づき、基質との結合により構造の安定化が見られたループに注目した。ラクチュロースに対する反応において、CsCEのE174A変異酵素では、反応生成物の組成に変化が見られなかったが、R170E/F171A変異酵素ではイソメラーゼ生成物の増加(ラクトースとエピラクトース生成量の増加)が見られた。このことから、当該ループ構造がイソメラーゼ活性に重要な構造因子であることが推定された。CEと配列同一性を示すタンパク質の中には機能未知タンパク質が数多く存在している。これらの中には新規な異性化酵素の存在が期待される。これらの機能未解析タンパク質からマンノースに作用する新規異性化酵素を見出した。
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