土壌由来メタゲノムDNAライブラリーから単離した「生成物阻害耐性」と「様々な糖によって活性化されるユニークな性質」を有するβ-グルコシダーゼMeBglD2の結晶構造解析(グルコース、キシロース、マルトースなどとの複合体の構造解析)を進め、本酵素の糖による活性化メカニズムの解明を目指した解析を行った。また、より大局的にβ-グルコシダーゼの生成物阻害他耐性メカニズムや熱安定化メカニズムを明らかにするために、大腸菌を発現宿主としたメタゲノムDNAライブラリーのファンクショナルスクリーニングによって新たな高機能β-グルコシダーゼの取得も試みた。本スクリーニングでは1)β-グルコシダーゼ活性を有する、2)生成物であるグルコース添加時においても良好な活性を示す、3)高い熱安定性を有する、という3つの選抜によって高機能β-グルコシダーゼの探索を行った。本スクリーニングによって新たに生成物阻害耐性および耐熱性を有するβ-グルコシダーゼをコードするメタゲノムDNAライブラリーを保持する大腸菌の単離に成功し、本大腸菌が有するメタゲノムDNAの次世代シーケンス解析によって、新たに複数種類の生成物阻害耐性および耐熱性を有すると推定されるβ-グルコシダーゼ遺伝子の同定に成功した。また、β-グルコシダーゼの探索過程において単離されたユニークな基質得特異性を有するキシロシダーゼについても構造解析などを進め、メタゲノム由来グリコシダーゼの利用を目指した研究を進めた。
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