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2015 年度 実施状況報告書

食物繊維の摂取によるパイエル板の発達とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 26850079
研究機関静岡大学

研究代表者

日野 真吾  静岡大学, 農学部, 助教 (70547025)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード食物繊維
研究実績の概要

本研究は,多岐にわたる食物繊維(DF)の生理機能のうち,腸管免疫系への影響について明らかにし,その応用を目指すものである。
申請者らはDFの摂取が小腸ムチンと杯細胞数の増加を誘導することを見いだしている。この作用にはDFの嵩や粘性といった物理化学的性質が関わることが示唆されている。本申請課題では,DFの持つ物理化学的性質がパイエル板の形態と機能に与える影響について明らかにすることを目的とする。

申請者らは産駒年度の研究において,8%の小麦ふすまを含む飼料を摂取させた群においてパイエル板のサイズにが対照群と比べ小腸下部でのみ有意に大きくなることを見出した。また,小腸各部位におけるサイトカイン発現量の測定を行ったところ,空腸中央部,回腸中央部および回腸末端部でIL-17発現量の顕著な上昇が認められたことから,他の食物繊維についても同様の現象が観察されるのかを明らかにするため,本年度は水溶性食物繊維であり,物理化学的な性質は小麦ふすまとは全く異なるグアガムを用いて検討を行った。

(1)Wistar系雄ラット(6週齢)に4%のグアガムを含む飼料を摂取させたグアガム群,8%の小麦ふすまを含む飼料を摂取させた小麦ふすま群と食物繊維を含まない飼料を摂取させた対照群を設け,14日日後に解剖を行った。小腸各部位におけるサイトカイン発現量の測定を行ったところ,グアガム群および小麦ふすま群の空腸中央部,回腸中央部および回腸末端部でIL-17発現量の顕著な上昇が認められたほか,いくつかの炎症性サイトカインの発現変動が明らかとなった。また,これらの変化はグアガム群と小麦ふすま群都の間で完全には一致しなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度の試験の再現性が確認できたほか,物理的性質が異なる不溶性食物繊維および水溶性食物繊維の双方で類似の変動が起きることを確認できた。

今後の研究の推進方策

サイトカイン発現量の変動をマーカーとしてパイエル板サイズと食物繊維摂取との関係を探る。特に,摂取期間との関係性について更に解析を加える予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Elemental diet induces the proliferation of sialomucin goblet cells in the rat duodenum and jejunum.2015

    • 著者名/発表者名
      Hino S, Ito A, Kondo T, Morita T.
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem.

      巻: 79(6) ページ: 992-6

    • DOI

      doi: 10.1080/09168451.2015.1006569.

    • 査読あり
  • [学会発表] Pectin and Its Hydrolysates Stimulate Intestinal Mucin Secretion2015

    • 著者名/発表者名
      日野 真吾,寺崎史高,森田達也
    • 学会等名
      日本栄養食糧学会、第12回アジア栄養会議(共催)
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2015-05-15 – 2015-05-17
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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