研究課題/領域番号 |
26850084
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
坂尾 こず枝 鹿児島大学, 農学部, 助教 (40713285)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ケルセチン |
研究実績の概要 |
今年度は、はじめにケルセチンをベースに用いたヒドロキシル基の修飾を行った。次にそれらのケルセチン誘導体をヒト由来大腸がん細胞(HCT-116)に添加し、ヒドロキシル基の修飾の違いによるアポトーシスおよびオートファジー誘導能(プログラム細胞死)の変化の有無を検討した。その結果、修飾基の違いにより、ケルセチンが有するプログラム細胞死誘導能が全く失われる場合と、逆にケルセチンより強い誘導能を示す場合があることが明らかになった。また、がん抑制遺伝子p53への依存性および、アポトーシス・オートファジーのクロストークについても明らかになりつつある。よって、次年度はアポトーシスおよびオートファジー誘導の定量化を行い、さらに詳しい分子機構の解明を遂行すると共に、マウスを用いた動物実験を行うことで、ケルセチンならびにその誘導体の個体レベルでのがん予防効果の検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度遂行予定であったオートファジー細胞死の定量化が完了していないが、その他の研究計画であった、ケルセチンのヒドロキシル基の修飾およびプログラム細胞死誘導能の変化の検討、がん抑制遺伝子p53への依存性の有無についての解明は実施した。また、次年度に行う予定であるアポトーシスならびにオートファジーのクロストーク解明の実験もすでに着手している。
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今後の研究の推進方策 |
アポトーシスおよびオートファジー誘導の定量化をを遂行すると共に、マウスを用いた動物実験を行うことで、ケルセチンならびにその誘導体の個体レベルでのがん予防効果の検討を行う。 動物実験においては、当初、大腸がん誘発剤を用いたモデルマウスを用いる予定であったが、こちらの系では大腸がん誘発までに時間を有する可能性が示唆されていることから、他の大腸がん発現モデルマウスの作成も考慮に入れた実験を遂行する。
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