多発性硬化症のモデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)マウスを用いて、中枢神経系炎症の発症に寄与する腸内細菌の探索を行った。その結果、EAEが抑制されたマウスの小腸においてErysipelotrichaceae科の菌株が減少することを見出した。本菌株をマウスから単離培養し、無菌マウスに定着させたところ、EAE症状が悪化することを確認した。本菌株は小腸においてバイオフィルムを形成し、小腸上皮に付着することで炎症反応を促進し、さらにはEAEにおける自己抗原特異的T細胞の病原性を高める可能性が示された。
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