研究課題/領域番号 |
26850092
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研究機関 | 独立行政法人酒類総合研究所 |
研究代表者 |
高橋 圭 独立行政法人酒類総合研究所, その他部局等, 研究員 (60565399)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 清酒 / 日本酒 / グルテリン / ジペプチド / オリゴペプチド / プロラミン / 米タンパク質 / プロテアーゼ |
研究実績の概要 |
研究開始2年目(平成27年度)においては、酒類に含まれる低分子オリゴペプチド(ジペプチド、トリペプチド、環状ジペプチド)と清酒の官能評価特性との関連性について、超高速液体クロマトグラフィー質量分析装置(UHPLC-MS)に依らない方法として、2次元ガスクロマトグラフィー飛行時間型質量分析装置(GCxGC-TOFMS)やキャピラリー電気泳動飛行時間型質量分析装置(CE-TOFMS)により検討し、一部のペプチドと吟醸酒の香味が相関していることが分かった。特に、吟醸香が良好な清酒(吟醸酒)において、多数のしかも特定のジペプチドが正に相関したことなど、興味深い関係性が分かってきた。 米タンパク質の米粒内局在解析については、より信頼性の高いデータを得るために、複数年度産の米を複数品種で比較するなど検討に厚みを加え、論文投稿の準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年7月10日に、定期人事異動により、研究代表の所属が(独)酒類総合研究所醸造技術基盤研究部門から同研究企画知財部門に変更となり、研究が実施できる環境及び研究時間が整備・確保できないことから、研究の遂行に大きな遅延が生じている。 清酒呈味と相関するオリゴペプチド解析のための、UHPLC-MSを用いたきめ細かい低分子オリゴペプチドの定性・定量解析などを含めた米タンパク質分解物解析については、研究が実施できる環境及び研究時間が整備・確保できず、研究が実質凍結している。また、オリゴペプチド発生機構解明のための手掛かりとして期待された、in vitroにおける米タンパク質分解物解析についても進捗は遅れている。 一方で、清酒品質と相関がある一部の低分子オリゴペプチドが分かり、2報の論文として成果物となった。また、米タンパク質の解析については、一定の結論に到達しているので、論文投稿準備のため着実に作業を進める。
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今後の研究の推進方策 |
定期人事異動に伴う代替要員の確保に向けた要求及び一定の研究時間の確保に努め、米タンパク質の米粒内局在等解析については、期間内に確実に成果物とするため、引き続き論文投稿準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年7月10日に、定期人事異動により、研究代表の所属が(独)酒類総合研究所醸造技術基盤研究部門から同研究企画知財部門に変更となり、研究の遂行に大きな遅延が生じているから。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度において、米タンパク質の免疫蛍光染色、米タンパク質の人工遺伝子作成、米代謝物解析、米タンパク質分解機構解析に使用する。また、それらの研究に伴う消耗品費に使用する。
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